これまで生活してきた住まいを売却する際は、不用品を売るときのように簡単にすませるわけにはいきません。住んでいた家を売り新しい家での生活が始まるわけですが、気持ちよく新生活が送れるようにやるべき手続きを行い、トラブルにならないように注意してください。どのような点に注意すればいいのか、売却の流れについても解説していきます。
住まいの退去の手続きと流れ
まず住まいを退去する際の、流れについて説明しましょう。売買契約が成立すると仲介業者が立ち合い、買主から手付金を受け取ります。手付金の金額は、売却価格の5~10%程度であることが多いです。
仲介業者には、手付金を受け取った後で仲介手数料の一部を支払います。その後で退去(引っ越し)、残った代金を受け取って鍵の引渡しを行い、登記変更も行いますがまだ引渡しは行われません。その前に、仲介業者に仲介手数料の残額すべての支払いをすませ引渡しとなります。
どのような手続きを行うのか
退去時にすませておくべき手続きについて説明します。まず、引越し業者に依頼し、不用品・ゴミの処分を行う業者を手配します。これまで住んでいた家の水道やガス、電気の停止の手続きを行い、新居でのそれらの開始の手続きも忘れないようにしましょう。
郵便物も手続きを行わないと前の住所に配達されてしまいますから、郵便局で郵便物の転送手続きを行います。また、インターネット回線の移動手続きも忘れずに、学校に通っている家族がいるなら転校などの届出、手続きも行ってください。
退去時の注意点
退去する前、退去時に注意しなければならない点があるので説明しましょう。
退去日と引渡し日は違う
退去日と引渡し日を、同じ日に設定することはできません。退去する当日に新しい住人と入れ替わる、ということはあり得ないのです。退去日とは、家を売却した人がその家から退去する日で、引渡し日は家の所有権が売った人から買った人に移り引渡す日であり、退去日は遅くても引渡し日の前日までに設定する必要があります。
引渡し日の前日までなら、いつでも自由に設定することができるのです。引渡し日までに退去がすんでいないと、契約違反となり違約金が発生することになるので注意してください。
引っ越し場所は確実に決めておくこと
引渡し日前日までに退去しなければなりませんが、引っ越す場所が確保できなければスムーズに退去することができなくなります。
すんなりと新しい家に引っ越すことができれば問題ありませんが、今まで住んでいた家を売却し新しい家を購入した場合など、そちらの新しい家の引渡しのタイミングが悪ければ、一時的な引越し場所が必要になることもあるでしょう。
退去した後で行き場がないのは困りますから、引っ越し場所はちゃんと確保することが大切、必要に応じてウィークリーマンションなど契約してください。
あとからキズや破損などが見つかってしまう
売買契約の前に、家にキズや破損など不具合があるかどうかはチェックするものですが、契約したあとで買主によりそのようなキズや破損が発見されると、契約違反を問われることもあります。
そういった事実があったということで、物件の品質が欠落したということになり、違約金の支払いや最悪の場合契約解除になることもあるでしょう。故意に隠していたわけではなく把握できなかったキズや破損でも、修繕する必要があるので仲介業者に相談し対応してください。
退去後の注意点
売却が成立し、住んでいた家から退去した後に入居した買主とトラブルになることもあります。住まいを無事に売却できたとホッとしても、まだ安心はできないということです。起こる可能性があるトラブルには、つぎのようなものがあります。
設備によるトラブル
中古住宅を購入するのですから、設備も真新しいものが揃っているわけではありません。買主が生活を始めて設備の故障、水漏れや雨漏りといったトラブルが起こった場合は、売主の方で責任を負わなければならないこともあるのです。
ただしエアコンや給湯器などの基本的な設備に関しては例外で、引渡し後1週間程度で見つかったもの以外なら、売主に責任はありません。
騒音のトラブル
実際に住んでみて、初めてわかるもののなかに騒音もあります。物件を内覧したのが日中の場合、そのときはそれほど音に関して気になることがなかったとしても、夜になったら日中とは違う騒音に悩まされることもあるのです。「音」が気になるか、ならないかは個人差があり、生活レベルの音の場合は気になっても、売主の責任になることは少ないといわれています。
しかし、そのような生活レベルの範囲を超えて明らかに騒音と認識されるような音なら、前もって告知しなければならないと宅地建物取引業法で定められています。騒音があるのに告知していなかった場合は、損害賠償請求されることもあるので注意しなければなりません。
隣人のトラブル
どこに住んでいても変わった人はいるものですが、トラブルを起こしがちな隣人がいることを買主に知らせておらず、そのまま契約してしまうと退去後にクレームとなることもあります。隣人とのトラブルにおいては告知義務があるので、それを怠ると損害賠償を請求されることもあるので注意してください。
告知義務の対象となる隣人トラブルは、騒音や大量のゴミの放置、一般的に考えて普通ではない言動があるなど、ほかにも境界線をめぐってのトラブルもあります。
トラブル回避のために対策しておく
退去後にトラブルが発生しないよう、売却する家に関しては事前調査を専門業者に依頼しましょう。また、契約不適合責任の範囲・期間を把握しておくことも大切です。トラブルが発生したときに相談できる、頼れるのは仲介業者なので、住まい売却時には信頼できる仲介業者を選ぶようにしてください。
まとめ
住まいを無事に売却できても、退去までにトラブルが発生する可能性があり、行うべき手続きもいろいろとあるので気をゆるめないようにしましょう。退去日と引渡し日がいつなのかはしっかりと把握しておき、引渡し前日までには退去を済ませるようにしてください。
住まい売却時に起こりうるトラブルは、事前に対策しておくことで大事になるのを避けられます。もしものときに頼れるのは仲介業者、信頼できる仲介業者を選ぶことはトラブルを未然に防ぐことにもつながるでしょう。
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引用元:https://www.sumai21.net/
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