共働き世帯におすすめ?ペアローンのメリット・デメリット

公開日:2024/08/15最終更新日:2024/08/19

長野 住まいの相談窓口 ペアローン

住宅購入の際、住宅ローンを利用する方がほとんどでしょう。その選択肢のひとつとして「ペアローン」があります。共働き世帯にとくにおすすめともいわれますが、実際はどうなのでしょうか。この記事では、なぜ共働き世帯におすすめなのか、そしてペアローンのメリット・デメリットについてくわしく解説します。

共働きにおすすめ?ペアローンとは

一般的な住宅ローンでは世帯の代表者1名が1本の契約でローンを組みますが、ペアローンという選択肢もあります。ペアローンは夫婦や親子など2名がそれぞれ契約者となり、互いが相手の契約の連帯保証人となる形の住宅ローンです。つまり、住宅ローンの対象となる物件はひとつでも、契約は2本になります。

ペアローンの最大の特徴は、契約数が2本になるため、それぞれが住宅ローン控除を利用できる点です。住宅ローン控除は所得税や住民税の控除を受けられる制度で、ペアローンでは2人分の控除が適用されるため、節税効果が高くなります。

また、団体信用生命保険への加入もそれぞれ行うことができ、どちらか一方に万が一のことがあっても、残りのローンは保険でカバーされるため安心です。住宅の所有権についてもペアローンでは共有名義となります。夫単独でローンを組む場合、所有権は夫のみになりますが、ペアローンを組むことで夫婦それぞれが住宅の所有権を持つことができます。これは親子でのペアローンの場合も同様です。

所有権の持分は、通常それぞれが負担したローンの割合に応じて決められます。たとえば、5,000万円の住まいを建てるのに夫婦でペアローンを組んで2,500万円ずつ負担する場合、所有権の持分も5割ずつになります。

収入合算とはどう違う?

ペアローンに似た「収入合算」という方法もあります。どちらも借入可能額を増やすために利用されますが、具体的な違いについてくわしく解説します。

そもそも収入合算とは

収入合算とは、一定の収入がある2人の収入を合算し、ひとつのローン契約とする方法です。契約者は主債務者となり、もうひとりが契約者の連帯保証人または連帯債務者となります。ペアローンに比べて諸費用を抑えることが可能です。詳細は後述しますが、収入合算には「連帯保証型」と「連帯債務型」の2種類があり、それぞれ特徴があります。

ペアローンと収入合算の違い

ペアローンと収入合算には違いがあります。それは「契約者と契約数」です。ペアローンは2者それぞれが契約するため、合計で2本の契約が必要になるのに対し、収入合算は1本の住宅ローン契約となり、主債務者の収入に収入合算者の収入を合算します。

連帯保証型と連帯債務型

連帯保証型収入合算は、収入合算者が主債務者の連帯保証人となるタイプです。主債務者が返済できなくなると、連帯保証人が返済義務を負いますが、原則として返済をしっかりと行うのは主債務者となります。また、団体信用生命保険に加入したり、住宅ローン控除を利用できるのは主債務者のみです。物件の所有権についても同じ扱いとなるので注意しましょう。

一方で、連帯債務型収入合算は、収入合算者が主債務者の連帯債務者となり、同等の返済義務を負います。そのため、住宅ローン控除の利用や物件の所有権についても、同等の権利が与えられます。ただし、収入合算の連帯債務型を提供している金融機関は非常に少なく、利用できる金融機関が限定される恐れがあります。

ペアローンのメリット・デメリット

住宅購入を目指す夫婦にとって、ペアローンは魅力的な選択肢です。ここでは、ペアローンのおもなメリット・デメリットについて確認しましょう。

メリット1:借入額を増やすことができる

ペアローン最大のメリットは、借入額を増やせる点です。夫婦の収入を合算することで、単独では手が届かない物件でも購入の可能性が高まります。たとえば、夫が高収入である場合、融資元は高い返済能力を見込み、多額の借入を許可することが多いです。ペアローンでは借入可能額が2人分になるため、結果として借入額も増加します。

メリット2:住宅ローン控除を各自で利用できる

ペアローンを利用すれば夫婦各自で住宅ローン控除を受けられ、節税効果が期待できます。住宅ローン控除は、一定の条件を満たすとローン金利の負担を軽減される制度で、10年間(最大13年間)、住宅ローン残高の0.7%が所得税や住民税から控除されます。

たとえば、新築住宅を建てた場合、長期優良住宅では最大409.5万円の控除が受けられます。

メリット3:夫婦で返済条件を変えることができる

ペアローンでは、各自で異なるローン金利を選ぶことが可能です。固定金利と変動金利の組み合わせにより、金利上昇時のリスクを分散できます。たとえば、夫が変動金利、妻が固定金利を選ぶことで、金利上昇時における負担増加のリスクを軽減できます。

デメリット1:諸費用が2倍になる

ペアローンではひとつの物件に対して2本のローン契約をすることになるため、諸費用もその分かかります。この諸費用は、融資事務手数料、印紙税、司法書士報酬、保証会社事務手数料などが挙げられます。

たとえば、印紙税はローン契約金額が1,000万円超5,000万円以下の場合、1本あたり2万円がかかりますが、ペアローン契約をすると4万円が必要です。

デメリット2:どちらかが退職した場合も支払いは残る

夫婦のどちらかが退職した場合でも、ローン返済は継続されます。収入が減少することで返済が困難になる可能性があり、さらに退職した側は住宅ローン控除も受けられなくなります。このような事態に備え、ペアローンを組む際は退職後の返済計画についても十分に話し合っておくことが重要です。

まとめ

ペアローンには多くのメリットがありますが、デメリットも理解したうえで選択すべきでしょう。ペアローンは、夫婦の収入を活用して借入額を増やし、節税効果を得るための有力な手段です。しかし、諸費用の増加や退職時のリスクも考慮する必要があります。これらのメリットとデメリットを理解し、夫婦で十分に話し合ったうえで選択することが大切です。

わからないことがあれば、住まいの相談窓口で資金の相談をしてみるのもおすすめです。各家庭の状況に応じて最適なローンの組み方を検討し、かしこい住宅購入を目指しましょう。

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